坂口憲二のサーフィンの魅力。
2019年 02月 08日
坂口 憲二 談
サーフィンってね、本当に実力主義の世界なんです。
たとえお金持ちであっても、テレビに出ていても、海ではまったく関係ない。
いい波に乗れるのは、一番その海に通って、練習をしているヤツだけなんですよ。
そういう意味で、海の中は本当に平等で、頑張った分だけかえってくる。
今でも「今週は頑張って3日、海に行こう!って行ったとしますよね。
そうすると1日目や2日目には乗れなかった波に、3日目で乗れるようになったりするんです。
始めたときからずっとそう。
やればやるほどひとつひとつステップアップしていくし、手応えを感じる。
そういう瞬間が本当に楽しくて、それを追い求めて、積み重ねて、ここまで来たような気がします。
あと、海にいるときには、ものすごく“自由”を感じる。
多少人の目が気になる日本ではとくに、海は素になれて、いい感じに力が抜ける場所。
サーフィンと出会って自分の中で何が変わった?
フィジカルはもちろん、何よりもメンタルがいちばん鍛えられたと思います。
1時間、海に入っても実際にボードに立って波を滑ってる時間は1、2分あれば良いほうですよ。
でもその数十秒の、えも言われぬ快感や感覚のために、残りの58分、根性でパドルをするわけだし。
ノースショアで目の前にデカイ波が来て、「おれ、これ行けるのかよ!?」って半ばビビりながらも、勇気を出して、「乗ってやろーじゃねーか!」ってチャージできたときには、ハンパじゃないスリルと感動が待っていた。
そういうガッツって、サーフィンと出会う前の自分にはなかったですからね。
楽に簡単にメイクできるものにはそんなにたいした価値もなくて、逆にハードルが高くて、乗り越えるのにすごく苦労したものには素晴らしいゴールが待っている。
サーフィンってそういうのが本当に分かりやすいから、何事においてもあきらめないこと、そしてその向こうに見えるもの、見据えるものが一番大切なんだっていうことを学びました。
今の世の中って、何でもお金で解決できちゃったり、自分よりイケてないヤツが意味もなく権力を持ってたりしがちだけど、こういうことを知っていたら、人間としてブレないと思うんです。
海から上がって俳優をやってるときも、善悪や価値を含めて自分できちんと物事を判断できる人間でいられるっていうか……
サーファーで良かったと実感する時
海から上がってビールを飲む瞬間! いや、それも本気ですけど(笑)。
ふだん東京にいて海のない生活を送っているから、海に行ったときはいつもサーファーで良かったなって思います。
もしサーファーじゃなかったら九十九里に行くことも、真冬の海を知ることもなかっただろうと思うし。
海にも四季があって、1年を通して海のいろんな顔を見ることができる。
自然や季節を肌で感じられるっていうのはやっぱりサーファーの特権のような気がしますね。
それともうひとつ、サーファーって“人種”だな、それもありだなって(笑)。
世界中どこに行っても、海で出会う人はみんなすごくメロウでピースなんですよ。
外国だったらサーフボードを持っているだけで、「お前サーファーか!よく来たな、おれらの波に乗っていけよ!」っていうのも普通だし、言葉も国も、顔や性別が違っても、サーフィンを共通項に距離を縮めることができる。
不思議とみんな似ているんですよね。見た目の雰囲気だけじゃなく、持っている価値観とかも。
海とサーフィンは、すごく広くてアクティブなもの海の好きな人に悪い人はいないです。
最高です。
物事は20年続けて初めて本当の楽しさがわかる。
最初の10年は勉強、その先の10年はそれまでの勉強を活用し、20年たったころに本質が見えてくる。
自分も今年でサーフィンを始めて10年。
本当にその通りで、サーフィンは長く続けることでもっと深い楽しみや喜びを味わえるスポーツだと思います。
気長に、サーフィン続けていきましょう!
しかし、腰いてぇぇぇぇぇぇなぁぁ・・